リヴァプールが大好きなので選手紹介③サイドバック編

前回のセンターバックに続きDF陣の紹介です


サイドバックのポジションはリヴァプールの、クロップの戦術を具現化する上でとても重要なポジションであり、クロップがとてもこだわっているポジションです


近年は怪我でほとんどユニフォームを着ることのなかったエンリケが退団したほかは主な退団選手はいません。元々昨季のスタート時にロジャースがこのポジションにほとんど人材を集めないままシーズンインしたのでクロップは困るかなあと思いましたが、奇跡的にクラインとモレノが健康体を維持してくれたので実質的なバックアップなしでなんとか乗り切りました。


今期はこのポジションに補強は行われるでしょうか



DF2ナサニエル・クライン イングランド 25歳


推進力 8

スピード 9

クロス精度 7

1on1 7

カバーリング 6

ポジショニング 7

運動量 9


クラインもロブレン同様にサウサンプトンから昨季1250万ポンドで加入した右のフルバックです。クラインはいい選手ですねえ本当に。スピードがあって何度も上下動をしてくれて献身的なプレーヤーです。ある意味イギリス人ぽくないサイドバックだと思います。出身はロンドンですが。

同じ右サイドでコンビを組むことが多いララーナがフリーランニングを繰り返してくれるおかげでクラインの前方によくスペースが生まれるので彼の推進力が良く生きています。逆に右のワイドに純粋なドリブラーやキープ力のない選手を配置するとあまり良さが出ないんですよね。一つ一つのプレーの技術や制度に関してはそこまで高い選手ではなくて、量で補う選手なので常に前方にスペースのできるタイミングを常に伺い、スペースが出来れば確実に入り込んできてくれるので、例えば中央でフィルミノやコウチーニョがボールキープをした際にいい囮になってくれたり、後ろでセンターバックやミルナーやチャンがパス回しをして出しどころを探しているときにその献身性が良く役立ちます。

でもスペースを突いて飛び出したとしても、やっぱりそこまで技術やコンビプレーに優れる選手ではないので、自分でクロスを上げるのか、もっと前に持っていくのか、右サイドでキープするのか、その判断が遅いしそもそも選択肢を増やせないボールの持ち方をする癖があるので詰まってしまうこともしばしばですね。

運動量が半端ないので帰陣も早いし、彼の背後がウィークポイントになることはあまりないですね。対人戦自体に強いわけではないんですが、スライディングや体をぶつけるタイミングがいいのでそこまで守備に難がある選手ではありません。ただフィジカルがないので、そこが代表でウォーカーがチョイスされる原因かなあ。アラダイスはロングボールを多用するのでそうなるとクラインはそんなに蹴らないから余計出れないのかなあと思ってしまいます。でも守備はウォーカーよりも質が高いと思いますが。。

一つ不安要素はクラインの明確な控えがいないんですよね。若手のランドールやウィズダムがいたり、ミルナーも対応可能ですが、もう少し信頼できる選手を獲得して欲しいですね。クラインがもし長期離脱なんてあったらリヴァプールのサッカーは大きく量の面で低下が予想されるので控えは欲しいです。



DF18アルベルト・モレノ スペイン 24歳


推進力 9

スピード 10

クロス精度 5

1on1 6

カバーリング 5

ポジショニング 4

運動量 8


モレノはクラインよりもさらにスピードがあるんじゃないかなと思います。トップスピードはもちろんなんですが、そこに達するまでの加速力や緩急を織り交ぜたドリブルはとても効果的です。攻撃が大好きな選手でボールの扱いもサイドバックとしては上手い方なので、難易度の高い局面を個人で打開してくれることもあります。周りの選手と連携してサイドを攻略するタイプではなくて、クライン同様に使ってもらうことで生きるタイプですね。

クロップのゲーゲンプレスの鍵である高い位置からのプレスにコウチーニョがとても献身的にしてくれるので、そこでボールを奪った時の素早い展開に対するリアクションもよくて、攻撃時の勘というか、感覚に優れた選手ですね。

その一方で無謀なプレーも多いです。自分の実力に過剰になる時が多くて強引に突破してみようと思ってロストしたり、突破してみたものの自分で攻撃を終わらせたいのか、無理なクロスやシュートに持ち込むという場面もよくあります。

あとモレノは守備が良くないですね。基本的にプレーの99%を左足で行う選手なので、守るときもすぐに足を出してしまう軽率な対応があったり、後ろでボールを奪ってもそのあとの処理が遅かったり無理やり左足に持ち替えようとして時間をかけてしまいヒヤヒヤする対応も多いです。クロップの前のロジャースはそういう意味でモレノよりもジョー・ゴメスを起用していましたね。

まあでもそこに目をつぶってでも彼の攻撃センスを買ってレギュラーに戻したし、クロップもずっと使い続けたので良かったです。モレノはそんなに波のある選手ではないと思うんですが、いまひとつ彼の株が上がらないのはやっぱり守備の不安定さですよね。

ケルンのドイツ代表DFヘクターやウォルフスブルクのDFリカルド・ロドリゲス獲得の噂が良く上がるのはそういうバランス感覚の良さを持っているからですね。

クロップがモレノについて直接言及しているコメントが少ないのでなんとも言えないのですが、プレミアで上位に入るにはこのポジションに投資する必要があるのかなあと思います。例えば即戦力じゃなくても、モレノとタイプの異なる守備に重きをおくタイプのサイドバックとかを獲得して競わせればモレノの成長も促せるのかなあと。




リヴァプールはサイドバックに人材が不足しているので紹介するのはこの2名です。ランドールやウィズダムやブラッド・スミスについても書こうと思えばいくらか書けますが需要がないと思うのでやめます。笑

昨季はたまたま2人とも比較的コンディションを落とさずに働いてくれたのでバックアップの存在がそこまで気にならなかったですけど、今期はさすがに誰か取って欲しいですねえ。スパーズとか今期のアトレティコとかはサイドバックの人員がすごく理想的だなあと思うんですよね。

スパーズの場合、右には攻撃的なウォーカーと、大きく戦力差のないトリッピアーがいて、左には攻撃的なローズと守備的なベン・デイヴィスがいて

アトレティコの場合は左右に絶対的な存在のフィリペ・ルイスとファンフランがいて、控えに両サイドをハイレベルでこなせるブルサリコがいて

こういう編成だとすごく心強いと思うんですよね。特に現代のサッカーってサイドバックに求められることがとても多くて、一人ですべてをこなせれば最高ですけど、バックアッパーと合わせて補完性のある人材を揃えられれば戦術の幅もできて理想的だと思います。

クロップのサッカーは他のチームと違って1試合当たりの疲労や負荷がもっと大きいと思うので出来れば実力の近いバックアッパーを取って欲しいところです

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