「小手先のモノマネじゃあ、、」:プレミアリーグ


7試合を消化したプレミアリーグ
目立つのはビッククラブの予想通りのスタートダッシュです。リーグテーブルの上位にはエヴェートン以外は例年通りの顔ぶれが並びます。しっかりとスタートダッシュを成功させるあたり、流石です。


レスターやウエストハムがボトム10にいることは驚きですが、注目すべきは早くもボトム10の顔ぶれがいつも通りになりつつあることです。
ピューリスとパーデューが上手くやっているウェストブロムとパレスが8位9位にいること以外は下馬評通りの結果です。

1ヶ月半前のリーグ開幕時にはもう少し夢を見ていられるだろうと思っていたクラブのサポーターたちは早くも現実に引き戻される気分でしょう。

ボトム10の中にはチーム力の高さを感じさせるチームも多く、今後ポイントを重ねていくことが出来そうなチームもありますが、このまま降格圏を行ったり来たりで苦しい思いをしたりするクラブもあるでしょう。


私が思うのは、近年プレミアリーグで全体的にイングランドらしいサッカーが薄れている印象があります。他のリーグに比べてプレミアが俄然、強さと速さで際立っているのはその通りですが、やはり少しその色が薄れている印象があります。それも特に下位のチームに。


スペインサッカーの成功で脚光を浴びたポゼッションサッカーを多くのクラブが積極的に採用し新しいスタイルを構築していますが、それは選手の質とクラブの資金力が確保されている場合のことです。
プレミアリーグは他国のリーグに比べ放映権料が豊富でFAも以前よりも下位チームへの分配も多くしたことがよく知られていますよね。スワンズがセビージャからフェルナンド・ジョレンテを、ボロがバレンシアからアルバロ・ネグレドを、ストークがポルトからマルティンス・インディを連れてこられたのは豊富な資金力の賜物です。他のリーグの下位チームがセビージャやバレンシアやポルトと交渉を行うことは容易ではありません。
恐らくこの流れは今後も加速するでしょう。早ければこの冬にも他国のメガクラブと交渉するチームが現れると思います。


何が言いたいかといえば、今まで限られた戦力で何とかやりくりしていたチームが何も成し遂げていないのにいきなりお金を持ったら良い買い物は出来るでしょうが、身の丈に合わないサッカーをしがちになってしまうということです。
今までロングボールを多用し、背の高いFWと足の速い選手を育ててきた英国のスモールクラブに、技術や戦術的に優れている選手が加入したことにより、スタイルの多少の変更を行うチームが増えてきました。


特徴的なのはストークでしょうか。
一昔前の190cm越えの選手をずらりと揃えたポッターズは男臭かったですが魅力的でもありました。多くのチームはブリタニアに得意なイメージはなかったでしょうし、激しく消耗する試合を覚悟していたでしょう。
近年はボージャンを始めシャチリやアルナウトビッチといった優れたアタッカーを加えたことで彼らを生かすスタイルに変化しつつあります。ストーク以外のチームでもその変化はよく見られますね。
そして戦力を揃え始めた監督たちは身の丈に合わないサッカーをし始めてしまいます。
マーク・ヒューズが流動的な前線を作るなんて想像できないですし、アラン・パーデューがボールを長く保持することも想像できません。
少し選手をテコ入れしたところで、長く扱っていたスタイルを変えることは簡単なことではありません。その点サム・アラダイスが何食わぬ顔でいつも通りの強く激しいサッカーでサンダーランドを残留させたことが輝いて見えます。笑
クラウディオ・ラニエリもいさぎよいですね、レスターに最も的したカウンターサッカーを徹底的に叩き込んでクラブも彼も栄光を手にしました。


サッカーは進化していきますし、それに合わせてスタイルを変えていくことは必要ですが、身の丈に合わないことをしすぎたり自分たちを過信しすぎると大きな崩壊を招くこともあるので注意です。
現有戦力と新なスタイルをよく考えて時間をかけてチームを確立したいものですね。
小手先のモノマネではすぐにぼろが出ますよ。

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