16-17シーズンレビュー inリヴァプール②GK、DF



前回に引き続きシーズンレビューを行います。
まずは愛するリヴァプール。


今回はGKとDFに関する通信簿を作成します。(A-B-C-D-E)
・貢献度
・個人成績
・市場価値
・現行契約
・感想


の内容で行います!では早速参りましょう!




GK22 シモン・ミニョレ ベルギー 29歳

・貢献度A
・個人成績B 28試合30失点(クリーンシート9回)
・市場価値 1000万€
・現行契約 2021年6月
・感想
毎年のようにビックセーブを連発しながらもリヴァプールのスカウト陣がGKのリストアップに忙しくしているのはこの男に安定感が欠如しているからでしょう。しかしミニョレに足りなかったのは安定感よりもライバルの存在だったのかもしれません。
カリウスの加入した今季、28試合でゴールマウスを守ったミニョレは随所に好プレーを連発。公式戦11試合でクリーンシートを達成するなど、お世辞にも優秀とは言えないリヴァプールDF陣の中で奮起を見せました。


GK1 ロリス・カリウス ドイツ 23歳

・貢献度 D
・個人成績 C 10試合12失点(クリーンシート3回)
・市場価値 800万€
・現行契約 2021年6月
・感想
加入1年目の今季、この若きドイツ人GKにとっては苦しい1年になったことでしょう。
約700万€でリヴァプールにやってきたカリウスはミニョレに代わる新守護神候補と目されていました。高いセービング技術に加え、ミニョレにはない足元の技術を評価した同郷のクロップは怪我が開けた6節ハル戦からカリウスを使い続けました。
しかし初のビッククラブ故のプレッシャーなのか、不慣れなプレミアの地も災いしたのか、15節ウェストハム戦までの10試合でカリウスのプレーには戸惑いや焦りが見え隠れしていました。DF陣と上手く連携が取れずルーズボールの処理を怠る場面や、セーフティな処理を優先し本来期待されていた後方からの繋ぎは皆無。この10試合で12失点を喫したカリウスは以降ずっとベンチでの生活が続きました。
しかし適応に苦しみはつきものです。言葉、食事、文化などに慣れることがピッチ上でのパフォーマンスに大きく影響しますしね。スパーズとフランスのキャプテン、ウーゴ・ロリスや、今や世界の5指にはいるユナイテッドのダビド・デヘアでさえプレミア1年目は評価を上げることができすにいましたから。来季のカリウスに期待しましょう。


DF2 ナサニエル・クライン イングランド 26歳

・貢献度 B
・個人成績 B 37試合0得点2アシスト
・市場価値 2100万€
・現行契約 2020年6月
・感想
安心と信頼のナサニエルこと、ナサニエル・クラインは今季もリヴァプールの右サイドを精力的に上下動し大いに活性化してくれました。
前線が流動的に入れ替わるリヴァプールの攻撃陣とそつのない連携を披露し、タイミングの良いオーバーラップとサポートで攻撃陣の引き出しを増やし続けましたね。ぱっと見不器用にボールを扱うクラインですが、その献身性と運動量を生かし、前線と効果的に連動し攻守に大きく貢献できるモダンなサイドバックへと進化を続けています。
ただ得点に直結する性格なクロスボールを上げられるかと言えばやや不満が残ります。ストライカーのいないリヴァプールにとって求められるのはクロスボールと言うより裏を取るラストパスでしょうか。その辺の攻撃センスや感性では同郷のウォーカーの方が優れていますね。


DF3 ママドゥ・サコー フランス 27歳(パレスにローン中)

・貢献度 D
・個人成績 E 8試合0得点
・市場価値 1000万€
・現行契約 2020年6月
・感想
昨シーズン記憶に残る場面を連発し多くのKOPに愛されたサコーですがオフシーズン中に練習への遅刻や態度の悪さを指摘されクロップから干されると、そのまま戦力外扱いに。冬にローンで加入したパレスではそこそこの働きをするも怪我をし戦線離脱。
CBに補強を考えているリヴァプールはサコーを上手く売却し費用の捻出を考えていることでしょう。アッガーとシュクルテルという長年リヴァプールDF陣を支えたコンビの後を継ぐ選手と期待したんですが、、。どうやらそうはなりそうにないですね。


DF6 デヤン・ロブレン クロアチア 27歳

・貢献度 C
・個人成績 B29試合2得点1アシスト
・市場価値 1500万€
・現行契約 2021年6月
・感想
比較的落ち着いたシーズンを過ごしたと思います。
マティプの加入によりこれまでよりも役割が明確になったロブレンは自慢のフィジカルを生かしてタックルや空中戦で強さを見せていたと思います。
でも正直、物足りない、、。優れたCBではあると思うのですがスピード、カバーリング、フィードなど改善箇所はまだまだ多いです。どうしてもCBは補強の優先箇所になってしまいますよね。
クロップの昨夏の補強にも問題は少しありました。サコーを戦力外にしたCB陣はロブレン以外、新加入のマティプとクラヴァン、緊急時のルーカスというスカッドです。本職が3人しかいない上に、内2人はプレミア初参戦。必然的にロブレンの役割も大きくなり、厳しく評価される対象となりました。


DF7 ジェームズ・ミルナー イングランド 31歳

・貢献度 A
・個人成績 A(36試合7得点3アシスト)
・市場価値 1500万€
・現行契約 2019年6月
・感想
あれ?ミルナーってDFですよね?笑
英国屈指のスーパーユーティリティは左サイドバックでも十分にやれることを証明しました。守備を怠り、プレーに安定性を欠くモレノに我慢ならなかったクロップはミルナーをこのポジションで起用し、コンバートに成功させています。元々リヴァプール加入時に中央でプレーすることを条件に契約したミルナーですが、高すぎる献身性とチームへの忠誠心が故でしょう、ボスからの指示を1年間全うしました。おかげでチャンに多くの出場機会が与えられ攻撃センスの開花に繋がりましたね。
先週、「CLに出られるし、ビックラブだから。と言う理由でやって来る選手は必要ない。クラブを前進させられる選手に来て欲しい」と来季に向けコメントしたミルナーの発言は素晴らしいものです。連続成功していたPKを外した時も酷く落ち込んでいた通り、そういった類を見ないパーソナリティの持ち主なのです。確かに左足でクロスボールをあげるシーンはあまり見ませんしプレースピードもゆったりしていますが、今季は改めてこの男の重要性、新時代を作っているリヴァプールにおいて必要不可欠な人間だということを感じたシーズンでした。


DF12 ジョー・ゴメス イングランド 20歳

・貢献度 E
・個人成績 E (0試合0得点 FA杯に3試合0得点)
・市場価値 350万円€
・現行契約 2022年6月
・感想
将来有望なDFには変わりないんですけどねえ、、。怪我に泣いた1年を過ごしたゴメスは復帰後も手薄なCB陣の中で出場機会を与えられませんでした。優れたフィジカルと標準クラスのスピード、技術を兼備するゴメスはいかにもモダンなCBなんですがまだまだ成長過程。今この時期を試合出場に使わないと本当にもったいない。来季も構想に入らないのならローンで経験を積ませるべきです。
下手に便利性を生かしてサイドバックで使われたら長所が伸びず、分散します。CBとして試合に出られるクラブで修行するべき。かつてリヴァプールでキャリアの早期を過ごし、ローン先で出番に恵まれ活躍しているCBは過去にもいます。アスレティックビルバオのスペイン代表サン・ホセ、ミランのガブリエル・パレッタ、ミドルズブラのダニエル・アジャラなどなど。でも英国人のゴメスにはリヴァプールで活躍して欲しいなあ。


DF17 ラグナー・クラヴァン エストニア 31歳

・貢献度 D
・個人成績 D (20試合0得点0アシスト)
・市場価値 400万€
・現行契約 2019年6月
・感想
昨夏アウクスブルクから獲得したクラヴァンはクロップが獲得を熱望していた選手の一人でした。ドルトムント時代にクラヴァンのプレーを見ていたクロップは当時から高く才能を評価していました。確かに足元が上手く、サイズの割にスピードもあり、キャプテンシーも持っている。
しかし時は流れ、今年で32歳のクラヴァンには多くを期待することは間違っていたでしょう。マティプ、ロブレンからレギュラーを奪える実力者を3番手に獲得して欲しかったですが、今季のプレーを見る限り両者を出し抜けるほどの力はクラヴァンにはなく、今が成長の限界値ということも明らかです。
余剰戦力として市場に出しても400万€で手をあげるクラブは果たしているでしょうか?
残り2年の契約を、怪我人続出時の緊急オプションとしてクラヴァンを起用することでクラブと納得できれば彼の存在価値はまだあります。


DF18 アルベルト・モレノ スペイン 24歳

・貢献度 D
・個人成績 E (12試合0得点1アシスト)
・市場価値 1000万€
・現行契約 2019年6月
・感想
ウインガーさながらのスピードとそれを生かした突破力を持つモレノ。ん?ならウイングで使えばいいじゃないか。と、思うのは私だけでしょうか?
左足一本で相手を止めようとする確率の低い守備、安定しないプレー精度に嫌気のさしたクロップは昨季重用したモレノを外しミルナーをコンバートさせました。だとしてもこれだけハッキリとしたストロングポイントを持つ選手をわずか12試合、295分間しかプレーさせなかったのは少し酷では。。仮にこの夏、噂に上がるイタリア方面に新天地を求めても、モレノの気持ちは理解できます。
明るいキャラクターでドレスルームの盛り上げ役でもあるモレノはピッチを離れればラテン系の選手のムードメーカー。特に、コウチーニョとは大の親友です。
まだ若く、大きな武器と素晴らしいキャラクターを持つモレノを、もっと上手く使えなかったのでしょうか、クロップは。


DF32 ジョエル・マティプ カメルーン 25歳

・貢献度 A
・個人成績 B (29試合1得点0アシスト)
・市場価値 2000万€
・現行契約 2020年6月
・感想
加入1年目でリヴァプールDF陣の柱となったマティプ。フリーで獲得できたのは奇跡に近いです。対人プレーに強く、ボール捌きも巧みで効果的なビルドアップを後方から繰り出せるのはリヴァプールでは、アッガー以来でしょうか?新鮮な風邪を与えてくれました。
一見華奢に見えますが全身のバネが素晴らしく、高い跳躍力とスムーズな動きを可能にしています。見習って下さい、ロブレン。酒ばっか飲んでないで。
少し心配なのは背後を取られたり、ライン統率が出来ていないシーンがたまにあることですね。そこはもうしかっりとしたDFリーダーの自覚を持って守備陣を引っ張ってもらいたいです。狙っているファン・ダイクを獲得できれば強く上手いツインタワーの完成です。ついでに、シャルケのコネクションを生かしてマックス・マイヤーを勧誘してくれないかなあ。狭いスペースで勝負するマイヤーはコウチーニョやフィルミノやララーナと相性ぴったりだと思いますよ。


DF66 トレント・アーノルト イングランド 18歳

・貢献度 D
・個人成績 C (7試合0得点0アシスト 公式戦24試合4得点5アシスト)
・市場価値 50万€
・現行契約 2021年6月
・感想
おお、ジェラードの面影が彼には見えるぞおお。スピーディーでクレバーな右サイドバックはアンダーカテゴリーでは中盤の中央でもプレーします。U-19代表では通算10試合6得点。おおお、まるで18歳で右サイドバックとしてデビューしその2年後プレーメーカーとして20歳で代表デビューしたジェラードを追うかのような足跡を残し続けるアーノルト。
ただ32節ストーク戦は経験不足を露呈しましたね。
怪我人続出でスタメンに抜擢されたアーノルトでしたが再三に渡り空回りし続け、わずか45分でピッチを後にしました。さて、来季もこのスター候補生をトップチームに残しておくのか、それとも常時出場の望めるクラブへローンに出すのか、この夏のクロップの決断はもしかすると大きく彼とリヴァプールの今後を左右することになるかもしれません。




今回はGKとDFのシーズンレビューでした。次回はMFしますよー!

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