16-17シーズンレビュー inリヴァプール③MF編


今回は16-17シーズンのレビューinリヴァプールのMF編です!


コウチーニョが本格的にワールドクラスへレベルアップしたり、チャンの攻撃センスが開花したり、キャプテンのヘンダーソンがアンカーにコンバートしたりと面白い話題が目白押しです。さて、振り返っていきましょう。


MF5 ジョルジニオ・ワイナルドゥム オランダ26歳

・貢献度 B
・個人成績 A(36試合6得点9アシスト)
・市場価値 2500万€
・現行契約 2021年6月
・感想
ニューカッスルからやってきたオランダ代表の10番は、新天地で瞬く間にフィットしシーズンを通し重要な存在であり続けました。
攻守のバランスに優れたMFはたくさんいますが、点を取ってアシストも出来る結果に直結する攻撃性能と、非凡な危機管理能力と絶え間ないプレッシングを行える選手は限られてくるでしょう。クロップはワイナルドゥム獲得を昨夏の大きなミッションに掲げマーケットで駆け引きを繰り返していましたから、どれだけこのオールラウンダーが必要なのか、そしてすぐにチームの戦術にフィット出来ることを見抜いていたかが分かります。
ワイナルドゥムと言えばこれ!という代名詞こそありませんが、継続的にピッチで高パフォーマンスを見せた彼のことはKOPが最も理解しているでしょう。
噂されるライプツィヒのナビ・ケイタが加入した場合中盤の競争は激化しますが、そのぶん更なる成長と活躍に期待しましょう。


MF10 フィリペ・コウチーニョ ブラジル 24歳

・貢献度 A
・個人成績 A (31試合13得点7アシスト)
・市場価値 4000万€
・現行契約 2022年6月
・感想
毎週末に極上のドリブル技術と高度なテクニックでリサイタルを開き、一撃必殺のミドルとFKで聴衆を酔わせ続けたコウチーニョやは名実ともに真のワールドクラスへとステップアップした1年でした。
格の違いを感じるのは彼一人で試合を決める場面が特に多かったことです。相手にとっ
って常に脅威であり続け、味方の攻撃の中心でい続けました。時にはハードワークを厭わずボールを追いかけ続ける姿は献身性の向上、戦術理解度の成熟も伺わせました。
シーズン中盤の怪我明け、一時調子を落としましたがバルサが公式に獲得願望を示したことは、ファイナルサードで違いを作り、どんなアタッカーや戦術にも対応できる稀有なタレントであることの証明でした。
しかしコウチーニョはリヴァプールを心から愛しています。2022年まで契約を長期延長したことは、彼の忠誠心の表れであるとともにリヴァプールを名門復活へと導く覚悟の表れです。
来シーズンも彼の美技に酔いましょう。


MF14 ジョーダン・ヘンダーソン イングランド 26歳

・貢献度 A
・個人成績 C (24試合1得点4アシスト)
・市場価値 2800万€
・現行契約 2020年6月
・感想
かつてアレックス・ファーガソンが「下半身だけでサッカーをしている。彼が大成することはない」と語った男は時を経て、リヴァプールとイングランドの主将となり、アンカーのポジションに安息の地を見出しました。
典型的なブリティッシュブランチで、ハードワークと献身性を全ての中心に掲げるヘンダーソンはどんなチームでも戦術でも、影の役割をこなします。
シンプルかつ的確なパス回しで攻撃のリズムを作り、豊富な運動量で幅広いエリアをカバーする守備力、チームに戦う意識を植え付けるリーダーシップは、90分間という物語を完結させる名脇役です。
より評価を高めるためには、ややネックになりつつある故障癖の改善が求められます。チェルシーのカンテと並ぶリーグ屈指のアンカーであることを証明するために、来季は健康体を保ちチームを率いる必要があります。


MF20 アダム・ララーナ イングランド 29歳

・貢献度 A
・個人成績 A(31試合8得点7アシスト)
・市場価値 2200万€
・現行契約 2020年6月
・感想
英国屈指のテクニシャンであり、ハードワーク精神の塊であるララーナはゲーゲンプレスの具現化に最も必要な選手かもしれません。
攻守に多大な貢献をしているフリーランニングは「走行距離」の一言で片付くレベルではありません。ララーナのランニングは常に次の展開を予想・準備し行われているものであり、攻守の方向付けでもあります。そして両足を遜色なく使いこなすドリブル技術は、時にタメを作り時に相手に風穴を開けることができます。質と量を兼備したランニングと技術でクロップのサッカーを支え続けた1年でした。
8得点7アシストは共にリヴァプール加入後最高の成績。怪我がなければ両方で二桁を狙えました。数字も残せる選手へと進化したララーナは自身初のCLでどのような活躍を見せてくれるでしょうか。


MF23 エムレ・チャン ドイツ 23歳

・貢献度 B
・個人成績 B(32試合5得点2アシスト)
・市場価値 1500万€
・現行契約 2018年6月
・感想
ワトフォード戦でのスーパーバイシクルが印象に強いチャンは、あのシュートが物語るように今季は攻撃センスが開花したシーズンでした。
フィジカルと運動量を生かし中盤で守備的な役割をすることの多かったチャンですが、今季はボールを持った際に自信が感じられます。ドリブルは迫力満点、シュートは射程距離が広く、より攻撃面で目立った1年でした。写真のセレブレーションも印象的です。
シーズン序盤は出場機会に恵まれませんでしたがヘンダーソンやララーナの離脱中に結果を残すと、最終的には中盤に不可欠な存在として君臨し続けました。
ネガティブな話題は、来季で切れる契約の更新が進んでいない点です。噂ではチャン自ら更新を拒否しているらしいですが、もしも彼がリヴァプールを去ることになれば重要な選手を失うことになります。
ナビ・ケイタの交渉がまとまり、ヘンダーソンが復帰した場合おそらく彼は今季よりもピッチに立つ時間が減るかもしれません。より絶対的な存在になるためにはもう少しプレーに安定感が必要です。良くも悪くもフィジカルに任せたプレーが多く、コンディションの悪い時は凡ミスが目立ちます。
攻撃的でダイナミックなプレーを恒常的に披露できることを証明しなければいけません。


MF21 ルーカス・レイヴァ ブラジル 30歳

・貢献度 C
・個人成績 C(24試合0得点3アシスト)
・市場価値 800万€
・現行契約 2017年6月
・感想
在籍10年となったルーカスがリヴァプールと残す契約は残り1ヶ月です。
様々な選手と中盤の底でコンビを組み、頻繁に交代する監督人事、中々浮上できないリヴァプール失意の10年を過ごしたルーカスは、そんな変革の時代にあった2000年後半から現在のリヴァプールの代名詞とも言えます。
チームの事情で様々なポジションや役割を任され、大器と期待されつつも大成することができず、怪我によりパフォーマンスの安定しない時期が長かったルーカスのピッチ上での10年間は苦しいものだったでしょう。
そのことは私を含めた全てのKOPはよく理解しています。
しかしこの10年間、ルーカスはリヴァプールにとって間違いなく必要な選手であり人間でした。彼の献身性、協調性、何よりもリヴァプールへの深い忠誠心は常にチームとファンを支えていました。
リヴァプールにとって「苦しみの10年」を象徴するルーカスと別れを告げることは、新時代への突入を意味します。
グレミオからやってきた英語も話せない若者は間違いなく、この10年でリヴァプールの歴史に名を刻んだことでしょう。ありがとう、ルーカス!YNWA!



次回はFWを!

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