リヴァプールが大好きなので選手紹介④ボランチ編

昨季はヘンダーソンが長期離脱を強いられたり、ミルナー、チャン、ルーカスが軽傷をしたりとこのポジションは年間を通して全員が万全の状態でやれなかった印象があります。しかし、その中でもクロップが構成しようとしている中盤のスタイル、中でもこの3列目のポジションにおける重要性や求めているものがよく現れたシーズンだったとも思います



それでは選手紹介を!



MF7ジェームズ・ミルナー イングランド 30歳


パスセンス 7

推進力 5

運動量 9

危機管理能力 8

攻守の切り替え 9

戦術理解 8

献身性 9


昨季の戦いを見る限りクロップがこのポジションの選手に求めているのはまずは何と言ってもハードワークだと思います。しかも質を伴ったハードワーク。量と質を備えたハードワークというのはとても難しい仕事だと思います。常に試合展開の中でどういうことをしなければならないのか考えながらそれを繰り返すことが必要とされます。そして考えるスピードと量と質を実際のプレーに反映させることでクロップの求める中盤の底が作られると思います。

退団してしまいましたが、ロジャース時代にベンチを温めてジョー・アレンがクロップの元で比較的出番が増えたのは彼がフットボールIQに優れたプレイヤーであるからだと思います。かつてのドルトムントでも、すでにピークを過ぎたベテランのケールを長く使い続けたのもケールのハードワークには質が伴っているからだと思います。

そして現在のリヴァプールのボランチで最もクロップの要求に応えられるのはミルナーだと思います。彼抜きで上位進出は難しいです。

30を迎えてもなお衰えの兆しが見えない運動量をベースにピッチの至る所に顔を出して攻守の様々な局面で味方のサポートをしたり、長年プレミアで揉まれているからこそ分かる素早い展開への対応力、攻守の切り替えの早さ、最後まで走りぬく献身性など、技術では補えない要素をミルナーは90分間チームに与えてくれています。以前よりもドリブルでの突破や運びに迫力はありませんが、その分ミスが少ない点は評価されます。

ヘンダーソンのコンディションや足の具合にもよりますが、正直キャプテンよりもミルナーの方がプライオリティは高いかなと感じます。どちらもボックストゥボックス型のボランチですが、プレーや判断の引き出しはミルナーの方が多い気がしますね。

サイドではなく中央に固定されたことで本来以上の実力を出してくれました。彼をユーロで起用しなかったホジソンにはたくさんの記事が批判していたように、ミルナーみたいなタイプの選手がイングランドには必要だと思ったんですがね。。

あとは彼が攻守に頑張る選手なのでパートナーを選ばない柔軟性もチームには大きいです。リヴァプールのボランチはみんなタイプが違いますから、複数の組み合わせの中心にクロップはミルナーをまずは考えるでしょうね。

今季、シーズン通してミルナーが健康体でいてくれることをリヴァプールファンとしては願います。数字に表れなかったり、地味なプレーが多いですが、ミルナーの存在は今のリヴァプールには外すことができないです



MF23エムレ・チャン ドイツ 22歳


パスセンス 7

推進力 7

運動量 8

危機管理能力 8

攻守の切り替え 7

戦術理解 8

献身性 7


チャンは、昨季の活躍でさらにスケールの大きな選手に成長したと思います。彼もまたハードワークをベースにする選手ですし、ミルナーと異なるのはより前線にボールを運べる能力です。スピードはありませんがフィジカルに優れ、当たり負けしないドリブルでボールを中盤の底から運び前線の選手に供給するプレーの正確さが飛躍的に伸びたと思います。

ボランチは幾つかタイプがあって、大きく分けるとアンカー、ボックストゥボックス、プレーメーカーです。例えばプレミアで言えば、カンテやダイアーなどがアンカータイプ。ミルナーやチャン、ラムジーがボックストゥボックス。ギュンドアンやウィルシャーはプレーメーカー。その中でも選手によってさらに違いはあるんですが、ビッククラブになれば色んなスタイルのボランチをチームに置くことが多いです。(ちなみにリヴァプールならルーカスはアンカー、グルイッチやジェラードはプレーメーカーなど)

チャンはタイプ的にボックストゥボックスですが、比率としてはピッチのより前で多くのプレーに関わることが出来る選手です。今のリヴァプールでは中盤の底からの推進力であったり、2列目・1列目の選手により効果的絡めるのはチャンかなと思います。切り替えの速度も比較的早いのでプレスで奪った後の展開や二次攻撃へのレスポンスが素晴らしいです。

ただチャンは技術的にはやや乏しい面があります。推進力はありますが単純なドリブルの技術は高いとは言えないし、パスの狙いはセンスがあってもその精度や状況に応じた玉の使い分けではまだヘンダーソンの方が上だと思います。

ですが彼もミルナー同様にクロップが非常に重用する選手だと思いますし、ユーロにもドイツ代表に選ばれて市場価格が上がっている時期なので今季はさらに結果をだそうと頑張ってくれるはずです。チャンの迫力あるダイナミックなプレーを皆さんも是非見てみてください!私と同い年なので頑張って欲しい!




MF14ジョーダン・ヘンダーソン イングランド 26歳


パスセンス 7

推進力 6

運動量 9

危機管理能力 7

攻守の切り替え 8

戦術理解 8

献身性 9


我がキャプテン。彼もまたクロップの頭をいい意味で今季は悩ませ続けるでしょう。

頑丈な体を持つヘンダーソンが昨季は長期離脱を強いられ、とても苦しい時期を過ごしたと思います。ミルナーとチャンのWボランチは質の高いプレーを披露していたので、現地メディアもヘンダーソンは復帰してもポジションがないのではないかとよく言われ続けました。今季クロップが彼をどう扱うのか注目したいです。

ヘンダーソンも豊富な運動量をベースにしたボックストゥボックス型のボランチです。戦術理解力が非常に高い選手で、サンダーランド在籍時からボランチ、トップ下、サードハーフ、サイドッバクなど様々なポジションを難なくこなし、このリヴァプールでもその戦術理解力は高く評価され、加入以降常にピッチに立ってきました。

私は彼に「ミニ・ランパード」と勝手なイメージがあります。運動量豊富で常にピッチを走り回り、高い戦術理解力を持ち、絶妙のタイミングで中盤の底から前線に飛び出してフィニッシュにも絡める。確かにランパードよりもパスセンスや得点力は劣りますが、ヘンダーソンはそう言ったボックストゥボックス型の中でも、飛び出すタイミングに優れた選手だと思います。

彼がよくフリーで抜け出してパスを受けてゴールを決めるシーンを見てきましたが、周りの選手とうまく連動して相手を崩すことが出来る選手ですね。

あと、機転が効くというか試合中に、例えば右サイドにボールが寄っているときに左サイドの守りのケアを常にしていたり、ドリブルで仕掛けようとする選手の近くにいていつでもバックパスしやすい位置にいてくれます。コウチーニョやスタリッジは彼のありがたみがよく分かるんじゃないかと思います。

ですが、キャプテンと言ってもポジションが確約されているわけではありません。ミルナーとチャンは高い完成度を見せているし、そこにどうヘンダーソンを組み合わせてくるのか。グルイッチが早い段階でプレミアに対応できればこのポジションの競争はさらに熾烈になります。どうなるのか読めないポジションですね。まあトップの方が個人的には読めませんが(後日FW紹介します)



MF16マルコ・グルイッチ セルビア 20歳


パスセンス 8

推進力 6

運動量 6

危機管理能力 5

攻守の切り替え 5

戦術理解 7

献身性 6


まだルーカスを紹介していませんがリヴァプールのボランチで唯一、パスセンスに8の評価をつけてみました。グルイッチは長短の正確なパスでゲームメイクをするタイプのボランチです。加えて、正確かつ威力のあるシュートを打つこともできるので、タイプ的にジェラードを彷彿させるものがあります。

レッドスターでは10代からチームのゲームメイクを任され、その能力を買われて昨季リヴァプールに加入しました。加入後経験を積ませるためにすぐに元のレッドスターへレンタルさせて、今期チームに復帰しました。パターンとしてはオリジの時と同じレンタルの仕方ですね。

プレシーズンマッチでは2ゴールを決めていて調子もいいですし、このままのコンディションでシーズインすればいい戦力になると思います。ただ、まだトップリーグでのプレー経験がないのがネックですね。セルビアで見せた質の高いプレーをプレミアの舞台でどこまで見せてくれるのか楽しみです。

ハードワークや献身性であったり経験値ではまだ前述の3人には劣るので、そこを伸ばしつつゲームメイクの能力でクロップにアピールしてもらいたいと思います。

リヴァプールは近年将来有望と言われた若手のボランチが次々にチームを去ったり伸び悩んでいます。アレンを初めロシターやシェルビーやブラナガンやスチュワートなど、中々成長することが出来なかったり出番をつかめない若手が多いです。

グルイッチは果たしてこの層の厚いリヴァプールの中盤でチャンスを掴む精神力や継続性はあるでしょうか、今季注目したいと思います。




MF21ルーカス・レイバ ブラジル 29歳


パスセンス 5

推進力 3

運動量 8

危機管理能力 9

攻守の切り替え 6

戦術理解 6

献身性 9


ルーカスももう今季でリヴァプール10年目ですか、、早いですね。

ブラジルのグレミオにいた時は今よりも攻撃的な役割を担っていて、パスでゲームメイクしたり前線に飛び出したりと万能なボランチとして加入しましたね。

ルーカスはリヴァプールで様々なボランチとコンビを組んできました。ジェラード、アロンソ、マスチェラーノ、メイレレス、アクイラーニ、ミルナー、チャン、、、この10年でいろんな監督が就任して、戦術やスタイルも変化していき、その都度ルーカスは監督の求めるものに答えてきました。

年齢を重ねるごとにプレースタイルは守備的になり今はアンカーの選手というイメージが完全に定着していると思いますが元はレジスタだし、それも彼なりにこのクラブに残るために努力した末の今だと思います。

毎年、リヴァプールにアンカータイプの選手の獲得の噂が上がらないのはルーカスの存在が大きいと思います。決して派手ではないし、リスクを犯さないプレーを選ぶ玄人好みの選手です。こういう選手がチームに一人いると監督としては心強いですよね。リードしている試合終盤に守備固めで起用したり、重要な試合で相手のキマーンをマンマークさせたり、こういうワンポイントの起用って結構難しいんですよね。若い選手だと経験不足がもろに露呈する役割だし、常に試合に備えてコンディションを整えておかないといけないし。ケガを乗り越えながらそれを淡々とこなしてきたルーカスは本当にすごいと思うし、ありがたい存在だと思います。

年齢的にもスタイル的にもプレースピードをここから向上させるのは難しいと思うし、クロップもそこは期待していないと思うので今の役割を全うして欲しいです。本人も長くリヴァプールにいることを望んでいますし、このポジションに大金を投じる必要もないと思います。

今季も目だ立たないと思いますが皆さんルーカスをお忘れなく





というわけで5人のボランチを紹介しました。あとはスチュワートやチリベジャなどもいますがスカッドに入るのは少し難しいと思います。

おそらくクロップは量と質を担保するためにもこのポジションに誰を起用するのか相当悩むと思います。上位進出にはボランチの継続的なパフォーマンスが必須ですから、駒は十分なのでいかにコンディションを整えて、戦術的な幅をこのポジションに作るか、残りの期間で取り組んでもらいたいと思います。

また、プレミアには今年もいいボランチがやってきたのでそこも注目して欲しいです!

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